Slackの代わりになる社内チャットの選び方:Mattermost・Rocket.Chat・Zulip・Elementを比べる

Slackの料金や、データを社外に置くことが気になるチーム向けに、自分のサーバーで動かせる社内チャット4つを比べます。操作感、会話の整理のしかた、社外とのやり取り、運用の手間の違いと、移行するときの注意点を整理します。

最終更新: 2026/11/03

社内のやり取りの中心になるチャットは、人数が増えるほど月額が気になるSaaSの1つです。「会話の記録を社外に置きたくない」という理由で、自分たちのサーバーで動かせるチャットを探す会社もあります。

この記事では、Slackの代わりになるオープンソースの社内チャットを4つ取り上げて、どんなチームに、どれが合うかを整理します。

先に結論

こんなチームなら 候補
Slackに近い操作感で、迷わず移りたい Mattermost
社外の顧客とのチャットの窓口も、同じ仕組みで扱いたい Rocket.Chat
会話が流れて追えない問題を減らしたい Zulip
社外の組織ともつながる、分散型のチャットにしたい Element(Matrix)

4つとも、当サイトで画面の日本語翻訳と、Dockerでの導入方法を確認できています。スマホのアプリもあります。

4つの違い

Mattermost:Slackに一番近い

チャンネルとスレッドで会話する、Slackとよく似た形です。画面の見た目も近く、Slackから移っても、操作で迷いにくいのが一番の利点です。開発者向けの連携(GitHub、GitLab、CIの通知など)も充実しています。

Rocket.Chat:社外とのやり取りにも広げられる

こちらもSlackに近い形のチャットです。特徴は、Webサイトのチャットでの顧客対応など、社外とのやり取りの機能を持っていることです。社内のチャットと、お客さまの窓口を、1つの仕組みで扱いたい場合に候補になります。

Zulip:話題ごとに整理される

Zulipは、チャンネルの中のすべての会話に「トピック」(件名)を付けます。メールの件名のように話題ごとに分かれるので、休み明けでも、必要な話題だけを追えます。最初は慣れが必要ですが、やり取りの多いチームほど効果が出やすい作りです。

Element:分散型のチャット(Matrix)

Elementは、Matrixという、分散型のチャットの仕組みを使うアプリです。サーバーにはSynapseなどを使います。ほかの組織のMatrixのサーバーとも、メールのようにつながれるのが特徴で、複数の組織にまたがるやり取りに向いています。その分、仕組みの理解と構築の手間は、ほかの3つより大きくなります。

詳しい比べ方は、MattermostとRocket.Chatの違い、MattermostとZulipの違い、Rocket.ChatとZulipの違いにまとめています。

選ぶ前に確認したいこと

無料で使える範囲

4つとも、ソースコードは公開されていますが、一部の機能を有料版だけで提供しているものがあります。たとえば、細かい権限の管理、監査のログ、シングルサインオン(SSO)などです。また、版によっては、無料で使える人数や機能に上限を設けている場合があります。

必要な機能が、無料で使える版に含まれているかを、各ツールの公式の案内で必ず確認してください。条件は変わることがあります。

通知がきちんと届くか

自分で動かすチャットでは、スマホへのプッシュ通知の仕組みが、SaaSと違うことがあります。公式の通知の中継サービスを使う設定が必要な場合もあります。導入の前に、スマホで通知が届くかを必ず試してください。 通知が遅れたり届かなかったりすると、チャットは使われなくなります。

運用の担当者

チャットは、止まると全員の仕事に影響します。アップデート、バックアップ、障害のときの対応を、誰が行うかを先に決めておきましょう。1台のサーバーで社内のツールをまとめて動かす考え方は、「社員10人の会社が、VPS 1台で社内ツールをそろえる」にまとめています。

移行の進め方

  1. 少人数で試す:まず数人のチームで、1〜2週間使ってみます。通知、検索、ファイルの共有、スマホのアプリを確かめます。
  2. 過去のログの扱いを決める:Slackの過去の会話を移せるかは、ツールと、Slackの契約によって変わります。移さずに、しばらくSlackを閲覧用に残すのも現実的な方法です。
  3. 連携を移す:通知のボットや、ほかのツールとの連携(Webhook)を、1つずつ移します。
  4. 全員に広げる:使い方の簡単な説明を用意して、日にちを決めて切り替えます。

Slackのままのほうがよい場合

  • 取引先とのやり取り(Slackコネクトなど)が多い
  • 多くの外部サービスとの連携に頼っている
  • サーバーの運用を担当できる人がいない

こうした場合は、無理に移らず、Slackの料金のプランを見直すほうが、結果として安く済むこともあります。

まとめ

  • 迷ったらMattermost。Slackから移る負担が一番小さい
  • 社外の顧客対応もまとめたいならRocket.Chat、話題の整理を重視するならZulip、組織をまたぐならElement
  • 無料の版で使える範囲と、スマホの通知は、導入の前に必ず確認する

ほかの候補や、データの比較は、Slackの代替のページで見られます。

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関連ツール

Mattermost

代替対象: Slack / TypeScript / Apache-2.0

日本語の画面あり

開発チーム向けのセキュアなコラボレーション基盤。Slackライクなチャットを自前のサーバーで運用でき、監査・コンプライアンス要件にも対応。

スター3.9万
健全度
15,150
セキュリティSecurity7.3

Rocket.Chat

代替対象: Slack / TypeScript / MIT

日本語の画面あり

ミッションクリティカルな用途向けの安全なチャット基盤。オンプレミス運用に対応し、Slack代替として組織内の会話を一元化できる。

スター4.6万
健全度
19,397
セキュリティSecurity8.9

Zulip

代替対象: Slack / Python / Apache-2.0

日本語の画面あり

話題ごとにスレッドが分かれるチャット。会話が流れず、非同期の議論に向く。

スター2.6万
健全度
12,565
セキュリティSecurity7.0

Element

代替対象: Slack / TypeScript / AGPL-3.0

日本語の画面あり

Matrixプロトコルのチャットクライアント。自前サーバ同士を連携できる。

スター1.4万
健全度
5,522
セキュリティSecurity要確認

Synapse

代替対象: Slack / Python / AGPL-3.0

Slackの代わりに社内チャットを自前で持つときの土台になる、Matrixのサーバー。利用者はElementなどのアプリから使う。ほかのMatrixのサーバーとの接続もできる。

スター4,755
健全度
1,868
セキュリティSecurity要確認

各ツールのライセンス・提供条件は変更されることがあります。導入前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。